人事担当者が「つらい」と感じることは?6つのケースと対処法を解説

どの仕事にもやりがいだけでなく「つらさ」があります。
特に人事の仕事では、他では味わえない独特の悩みや負担があることも少なくありません。
本記事では、人事担当者が「つらい」と感じることやその対処法を解説します。
現在つらいと感じている方は、ぜひ参考にしてください。
人事担当者がつらいと感じること6選
人事担当者が業務で「つらい」と感じる理由として、以下の6つが考えられます。
- ・機密情報を扱う緊張感がつらい
- ・嫌われ役になる時がつらい
- ・他部門に仕事が理解されにくいことがつらい
- ・成果が見えにくいことがつらい
- ・社員と会社の板挟みになる時がつらい
- ・変化についていけない時がつらい
詳しく見てみましょう。
機密情報を扱う緊張感がつらい
人事の仕事は、社員の個人情報や給与、評価、人事異動など、社内でも限られた人しか知り得ない機密情報を取り扱います。
どれだけ親しい同僚や友人であっても、業務内容を安易に口外することはできません。そのため、時に孤独を感じることもあるでしょう。
また、相談できる相手が限られる中で判断を求められるケースも多く、ストレスが蓄積しやすい環境です。
重要な秘密を取り扱う自覚を持ち、常に細心の注意を払って業務にあたる必要があり、この緊張感が「つらい」と感じる一因となっています。
嫌われ役になる時がつらい
人事は会社の経営戦略に基づいて、時にはリストラや異動命令といった「受け入れられにくい人事施策」を推進しなければなりません。
本人にとって不本意な通達を伝える役割を担うため、たとえそれが会社全体の方針だったとしても、直接対面する人事が矢面に立ち、反感を買うこともあります。
相手の人生に大きな影響を与える決断を伝える重みと、感情を受け止めなければならないプレッシャーに耐えることは、心身ともに消耗する瞬間です。
この「嫌われ役」を担う精神的負担がつらいと感じる人も珍しくありません。
他部門に仕事が理解されにくいことがつらい
人事業務は、売上や契約件数といった明確な数値で評価されることが少ないため、外から見ると「楽な仕事」と誤解されることがあります。
実際には、採用活動、研修設計、労務管理、制度設計、社員フォローなど、多岐にわたる業務を担っているにもかかわらず、他部署の社員からは「何をしているかわからない」と見られてしまうこともあるでしょう。
自分なりに努力を重ねているにもかかわらず、周囲の理解を得られない孤独感や、正当に評価されないもどかしさに苦しむ瞬間は、人事担当者が抱えがちな悩みの一つと言えるでしょう。
成果が見えにくいことがつらい
人事の成果は、数値では測りづらい側面があります。
たとえば「社員の満足度を向上させる」「離職率を下げる」といった目標は存在しても、
それが直接的に売上や利益に直結するわけではないため、達成度合いを明確に示すことが難しいのが実情です。
努力しても成果が見えにくく、周囲からの評価にもつながりにくいことから、達成感や自己肯定感を得にくいと感じる人も多いです。
特に、結果を重視する文化の強い組織に所属している場合、この「成果の見えづらさ」がモチベーション低下の原因となり、人事の仕事をつらく感じることがあります。
社員と会社の板挟みになる時がつらい
社員からの相談を受けた際、人事は個人に寄り添いたい気持ちと、会社の規則や方針を守らなければならない立場の間で板挟みになることがよくあります。
たとえば、ハラスメント対応やメンタル不調者のサポートにおいて、本人の要望をすべて受け入れるわけにはいかない場合もあります。
その結果、どちらからも不満を抱かれたり、誰の期待にも応えられなかったと感じて自己嫌悪に陥ったりするケースも少なくありません。
「誰のために仕事をしているのか」という葛藤に苦しみながらも、冷静に会社と社員双方の利益を考え続けなければならないことが、人事にとってつらい場面の一つです。
変化についていけない時がつらい
人事の業務は、時代とともに大きく変化しています。
従来の紙ベースの管理業務から、クラウド管理やAIを活用した人材管理ツールへの移行、採用ではSNSやダイレクトリクルーティングの活用が求められるなど、デジタルシフトの波は避けられません。
また、働き方改革、ダイバーシティ推進、人的資本経営など、社会背景の変化に即応することも求められます。
年齢を重ねるごとに、これまでの経験則が通用しない場面が増え、時代のスピードに順応できないと焦りや無力感を覚えることもあるでしょう。
これまで培ってきた知識や方法が通用しないと痛感した時、「つらい」と感じるのは自然なことです。
人事の仕事がつらい時の対処法
人事の仕事が「つらい」と感じたときの主な対処法を4つまとめました。
人事の仕事のメリット・デメリットを理解する
人事の仕事が、時に嫌われ役を担わなければならない場面があるのは事実です。
一方、人事は会社の重要な経営資源である「ヒト」に直接関わり、組織づくりに貢献できる大きなやりがいを持つ仕事でもあります。
人事という仕事のメリット・デメリット双方を理解して、ある程度割り切ることも重要です。
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人事部内に相談できる人を見つける
人事の仕事のつらさを理解してくれるのは、同じ経験を持つ人です。
人事部内に相談できる人を見つけると、つらさの共有ができ、気持ちが楽になることがあります。
また、業務に関して具体的なアドバイスをもらえる可能性が高く、問題解決につながりやすいです。
業務上の課題だけでなく、気持ちの面でも支えてくれる存在を持つことで、つらさに立ち向かいやすくなるでしょう。
自分の目指すキャリアを明確化し地道に努力する
つらい状況に置かれている時こそ、一度立ち止まって自身のキャリアを見つめ直すことが有効です。
自分がどのようなキャリアを築きたいのかを明確化することで、現在の仕事をより大きな視点から捉え直すことができ、モチベーションの維持につながります。
たとえば、人事領域でさらに専門性を高めたいのであれば、社会保険労務士など難関資格へのチャレンジも選択肢となるでしょう。
あるいは、採用、教育、制度設計など自分が極めたい分野を意識しながら経験を積んでいくのも有効です。
長期的な視点を持ち、自分の未来のために今できることを積み重ねることで、目の前のつらさにも意味を見いだせるようになります。
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仕事の成果を「見える化」する工夫をする
人事の仕事は成果が数値化しにくく、努力が目に見えづらい分、やりがいを実感しにくいこともあります。
だからこそ、自分自身で成果を「見える化」していく工夫が大切です。
たとえば、以下のような数値や実績を整理しておくと、自分の成長を客観的に確認できるようになります。
また、以前よりも良い成果を出せれば、評価にもつながるでしょう。
- ・採用活動で何名採用できたか
- ・研修実施後の満足度アンケート結果
- ・業務効率化で削減できた時間
それでもつらい時はどうする?
どれだけ工夫しても、どうしても人事の仕事がつらいと感じることもあるかもしれません。
そんな時は、無理をしすぎず、まずは一度立ち止まることが大切です。
現状を客観的に見つめ直すために、信頼できる誰かに相談してみたり、有給休暇を取得して仕事から一時的に距離を置いたりするのも有効な方法です。
まずは心と体を休めることを優先しましょう。
落ち着いてから、改めて「自分は何に対してつらさを感じているのか」を冷静に分析してみてください。
原因が明確になれば、適切な対処法が見えてくることもあります。
もし自分では対処しきれない問題であるなら、会社にサポートを求めることも検討しましょう。
それでもなおつらいと感じる場合は、「部署異動」「休職」「転職」の選択肢もあります。
つらい時ほど視野が狭くなりがちですが、道は一つではありません。
無理をせず、心に余裕を持ちながら、自分がより輝ける道を柔軟に探していきましょう。
人事が希望の職場に転職するためには
人事の仕事から希望の職場に転職するには、事前準備が欠かせません。
ここでは、押さえておきたい4つのポイントをご紹介します。
自己分析とキャリアの棚卸しを行う
まず、これまでの経験やスキルを整理し、どのような業務に携わり、どのような成果を上げてきたのかを明確にしましょう。
自身の強みや適性を把握することで、転職先に対して「どのように貢献できるか」を具体的にイメージできるようになります。
漠然と転職を考えるのではなく、自分にとって何が重要なのかをはっきりさせることが成功への第一歩です。
希望する職場の特徴を明確にする
次に、どのような職場環境や企業文化を希望するかを整理しておきましょう。
たとえば、ワークライフバランスを重視したいのか、裁量権を持って働きたいのか、スキルアップできる環境を求めるのかなどの視点で具体的にします。
自分の価値観やライフスタイルに合った職場像を具体的に描くことで、ミスマッチを防ぐことが可能です。
業界や企業の情報収集を行う
希望する業界や企業について、最新の動向や求められるスキル、企業の成長性などを積極的にリサーチしましょう。
業界研究を行うことで、自分が挑戦したいキャリアが今後どう変化していくかも見えてきます。
また、転職先候補の社風や経営方針にも目を向け、自分のキャリアビジョンと一致しているか確認することが大切です。
転職エージェントを活用する
希望の職場に出会うためには、転職エージェントのサポートを活用するのも効果的な方法です。
特に人事職に強いエージェントであれば、履歴書・職務経歴書の添削、面接対策、非公開求人の紹介など、手厚い支援を受けることができます。
MS-Japanは、人事など管理部門・士業に特化した転職エージェントです。
人事の転職に精通したプロのアドバイザーにサポートを受けつつ転職活動を進めることで、自分に合った職場に出会える可能性を高めることができるでしょう。
人事の求人例
ここでは、「MS-Japan」で取り扱っている人事の求人をご紹介します。
なお、「MS-Japan」では、他の企業にはない限定求人を多数取り扱っています。気になる方はぜひ会員登録をしてみてください。
20期連続増収プライム上場企業の採用担当 (リーダー候補) /リモート週4回程度
仕事内容 |
<新卒採用> ・新卒採用計画及び施策立案 ・母集団形成のための企画・立案 ・説明会の実施 ・インターンシップの策定と実行 ・イベント参加 ・研究室とのコネクション作り、内定者フォローなど <中途採用> ・中途採用の母集団形成 ・候補者に対するフォロー ・クロージング ・オファー対応等 |
必要な経験・能力 |
・新卒採用もしくは中途採用の経験 ・業務マネジメント(業務プロセス設計・管理) の経験 ・テクノロジー(クラウド/AI/データ分析等)に関する興味・関心が強く、情報収集をされている方 ・採用業務にてグループや部をまとめるマネージャー/採用責任者の経験 |
想定年収 |
900万円 ~ 1,200万円 |
プライム上場グローバルメーカーの人事総務企画室(人材変革プロジェクトリーダー)
仕事内容 |
・経営戦略と連動した人材戦略の策定 ・人事制度改定 ・エンゲージメント向上の推進 ・グローバル人材サポートセンターの設置 など |
必要な経験・能力 |
<必須> ・人材戦略について強い関心、実現したいことがある ・多数の利害関係者を巻き込んで企画立案、実行した経験がある 且つ、下記いずれかの経験 ・人事部門での5年以上の実務経験をされ、人事制度企画の経験 ・人事コンサルティング会社等で、事業会社の人事制度企画や改定の経験 |
想定年収 |
600万円 ~ 950万円 |
プライム上場企業の人事企画・人事制度設計の中核メンバー※リモート・フレックス可
仕事内容 |
・人事制度の運用推進 ・人事労務業務の企画・運営・改定 ・人事関連の新規企画・運用 |
必要な経験・能力 |
・労務業務範囲で、主担当として、以下いずれかの実務経験3年以上 (人事制度や評価制度の企画・運用、人事労務業務の運用・改善 等) |
想定年収 |
500万円 ~ 850万円 |
グロース上場企業の労務課長※リモート・フレックス有/残業10時間程度
仕事内容 |
・労務部門のメンバーマネジメント ・労務管理全般(給与データ集計、社会保険手続き、就業規則の整備等) ・規則関連(就業規則、各種規程類管理、改定対応) ・給与改定管理、調整 ・社会保険手続き関連 |
必要な経験・能力 |
・人事労務実務経験7年以上 ・人事労務、総務部門いずれかのマネジメント経験3年以上 |
想定年収 |
596万円 ~ 842万円 |
人事の転職でよくある質問を人事専門転職エージェントMS-Japanが回答
人事をはじめとした管理部門・士業特化エージェントとして35年以上の転職支援実績とノウハウを持つ「MS-Japan」が人事の転職でよくある質問に回答いたします。
Q.人事の転職に有利な経験・スキルは?
人事の主な業務として、「採用」「教育・研修」「制度」「労務」の4つがありますが、その中でさらに「実務」と「企画」に分けられます。
転職において即戦力として評価されやすいのは、「企画」の経験です。
具体的には、以下が挙げられます。
・採用:採用戦略の立案
・教育・研修:研修内容の設計
・労務:給与制度の構築・福利厚生立案
人事の転職でおすすめの業界は?
人事の転職において、業界ごとの業務内容に大きな差はありませんが、実務経験を優先して積むことが重要です。
特におすすめなのはIT業界であり、採用活動が活発なうえ、IT企業での経験は今後の転職市場で有利に働く可能性があります。
さらに、ITエンジニアの採用経験を求める求人も増えており、IT企業での経験は市場価値の向上にもつながります。
大手企業とスタートアップ企業の人事の違いは?
大手企業の人事は、採用・労務・人材開発など業務領域ごとに分業され、特定分野の専門性を高めやすいのが特徴です。
一方、スタートアップ企業では、人事全般に加えて社内文化づくりやイベント企画など、幅広い業務を少人数で担当することが一般的です。
特定領域を深めたい場合は大手企業、幅広くジェネラルな経験を積みたい場合はスタートアップや中小企業への転職がおすすめです。
まとめ
人事の仕事には、機密情報を扱う緊張感や成果が見えにくい難しさなど、特有のつらさがあります。
つらいと感じたときは、まずは現状を客観的に見つめ直し、必要に応じて相談できる相手を頼りましょう。
それでも改善が難しい場合は、転職も選択肢に入れることをおすすめします。
自己分析や業界研究を進め、転職エージェントを活用しながら、自分に合った道を柔軟に探していくことが大切です。
- #人事つらい
- #人事やめたい
- #人事転職


この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、化粧品会社へ入社し美容部員として従事。全国各地で販売業務や新規店舗の教育係を経てMS-Japanへ入社。
現在はキャリアアドバイザーとして経理・人事・総務を中心に担当。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 会計事務所・監査法人 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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