2025年10月08日

簿記1級と税理士試験の簿記論はどちらが難しい?合格率や出題範囲の違いなど

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経経理の資格として最も認知度の高いのが、日商簿記税理士です。
その中でも日商簿記1級と税理士試験の会計科目である簿記論は、どちらも経理・会計分野の高度な知識が必要で、どちらの方が難しいのか、どちらの価値が高いのかと気になる方もいるのではないでしょうか。

この記事では簿記1級と簿記論の関係性や合格率・勉強時間を比較し、詳しく解説します。

税理士試験の簿記論と日商簿記1級の関係性

まず、税理士試験の「簿記論」と「日商簿記1級」の概要と関係性について見ていきましょう。

税理士試験「簿記論」とは

簿記論とは、税理士試験の会計科目に属する試験科目です。
税理士試験は合計5科目の合格が必要ですが、簿記論と財務諸表論は、一部の免除者を除き、「必ず合格しなければならない」科目です。

簿記論では、企業活動における取引の記録・集計・計算方法などのルールが問われます。
勘定科目・金額の穴埋め問題も出題されますが、大半は計算問題で、スピーディーな計算力と、確実に処理していく要領の良さも必要です。

「日商簿記1級」とは

日商簿記とは、日本商工会議所・各地商工会議所が行う検定試験です。
簿記に関連する検定試験は、日商簿記のほかに、全国経理教育協会の全経簿記や全国商業高等学校協会の全商簿記がありますが、日商簿記が最も認知度が高いと言えるでしょう。

日商簿記は、難易度別に1級から3級の3段階に分かれており、1級は「極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行うために求められるレベル」とされ、「簿記の最高峰」とも称されます。

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簿記論と簿記1級はどっちが難しい?

簿記論と簿記1級の難易度について、合格率と勉強時間を比較しました。

合格率の違い

簿記論と簿記1級の過去5回分の合格率を比較してみましょう。

簿記1級合格率 簿記論合格率
2025年6月 14.0% 2024年度 17.4%
2024年11月 15.1% 2023年度 17.4%
2024年6月 10.5% 2022年度 23.0%
2023年6月 12.5% 2020年度 22.6%
平均 13.8% 平均 19.4%

参考:
受験者データ:1級(統一試験)|商工会議所
税理士試験結果|国税庁

過去5回分の平均合格率は、簿記1級が13.8%、簿記論は19.4%と、簿記1級の方が低い結果となりました。

しかし、平均合格率だけで「簿記論よりも簿記1級の方が難しい」と判断することはできません。
簿記1級は受験資格がなく、誰でも受験することができますが、簿記論は2022年度まで受験資格が設定され、簿記1級も受験資格の一つとされていました。
2023年度から、簿記論を含む会計科目の受験資格が撤廃されましたが、税法科目の受験資格は継続されています。

このことから、簿記論の方が簿記1級より受験者のレベルが高い傾向にあると考えられるでしょう。

勉強時間の違い

簿記1級も簿記論も、一般的には合格までに「500時間~1,000時間程度」の学習が必要といわれています。
勉強時間の面から比較すると「難易度は同じくらい」だと言えるでしょう。

ただし、簿記1級を取得者が簿記論を受験する場合は、出題範囲が重なることから、勉強時間は「450時間程度」に短縮できるといわれています。
次章で簿記論と簿記1級の出題範囲について詳しく見ていきましょう。

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簿記論と簿記1級の出題範囲の違いは?

簿記論と簿記1級の出題範囲は、以下の通りです。

資格 出題範囲
簿記論 複式簿記の原理、その記帳・計算及び帳簿組織、商業簿記のほか工業簿記を含む。
ただし、原価計算を除く
簿記1級 商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算

参考:
・税理士試験:試験日程・試験科目について|国税庁
・簿記1級:試験科目・注意事項|商工会議所

簿記論と簿記1級は、出題範囲の8~9割が重なるとされています。
しかし、習熟度や得意分野によって、難易度の認識は異なるでしょう。

簿記1級の出題範囲の特徴は、工業簿記と原価計算が含まれ、100点満点中50点を占めています。
簿記論でも工業簿記は含まれますが、簿記1級ほどの比重は置かれていません。

商業簿記は、簿記論と簿記1級のどちらも出題されますが、簿記論の方が、難易度が高いとされています。
試験時間に対して出題数が多く、全問に回答することが難しいため、予め「捨て問」を見分ける取捨選択能力も必要です。

以上のように、簿記1級と簿記論の出題範囲は重なる部分が多いものの、それぞれのポイントを押さえた準備が求められます。

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簿記論と簿記1級の取得メリットを比較

最後に、簿記論と簿記1級の取得メリットを見ていきましょう。
簿記論と簿記1級は、いずれも経理・会計分野の高度な知識をアピールできる資格として、転職市場で高く評価されます。

ただし、目指すキャリアの方向性によって、どちらを取得するか判断することが重要です。
事業会社の経理でキャリアアップを目指す場合は簿記1級会計事務所への転職や税理士資格取得を目指す場合は簿記論が良いでしょう。

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まとめ

簿記論と簿記1級は、難易度は同程度で出題範囲も8~9割が重なります。
転職市場では、いずれも経理・会計分野の高度な知識をアピールできる資格ですが、将来のキャリアを考えたうえで、優先順位をつけて取り組んでいくことが重要です。

  • #税理士試験
  • #簿記論
  • #日商簿記
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この記事を監修したキャリアアドバイザー

佐藤 颯馬

大学卒業後、新卒でMS-Japanに入社。
法律事務所・会計事務所・監査法人・FAS系コンサルティングファーム等の士業領域において事務所側担当として採用支援に従事。その後、事務所側担当兼キャリアアドバイザーとして一気通貫で担当。

会計事務所・監査法人 ・ 法律・特許事務所 ・ コンサルティング ・ 金融 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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