一般企業の転職先

一般企業のキャリア

日本公認会計士協会の「組織内会計士ネットワーク」によると、組織内会計士ネットワークの正会員は2014年12月末時点では985人だったところから、2023年12月末時点では2,418人と2.5倍近くまでその人数が増加しています。
このことから分かるように、公認会計士にとって一般企業に転職し、インハウス会計士として活躍する選択肢は一般的なものとなっています。

公認会計士が一般企業に転職する場合、経理、財務、内部監査、経営企画、その他スポット業務(M&Aや組織再編にまつわる会計業務等)を担当することが多いです。
大手・上場企業の場合は組織が細分化されており、上記業務を幅広く担当するというよりは、特定の業務を専門的に担当していく形になります。

また、大手企業においても、公認会計士のような専門職人材の場合は、基本的に初期の配属部署で継続的に働くことになります。同じ業務を繰り返していると、場合によっては停滞感を感じてしまう可能性もあるため、入社時には、希望することで関連する他部署への異動は可能なのかなど、入社直後の業務内容だけでなく、その先の業務についても広がりがあるのかを確認しておくと安心です。

公認会計士が一般企業で働く場合、管理部門に配属になるケースがほとんどであり、昇給・昇格は企業の給与テーブルに従って年次によって上がっていく形になります。
給与水準としては監査法人よりも低くなる可能性がありますが、中長期的に安定した昇給が見通せることは、一般企業のメリットといえるでしょう。

一般企業の転職市場

現在、一般企業における公認会計士の採用ニーズは高く、上場・非上場を問わず様々な企業から公認会計士の求人が出されています。

特に多く公認会計士対象の求人が出されているのは、東証プライムに上場している企業であり、ポジションとしては経理と内部監査でのニーズが高いです。
プライム上場企業では単体・連結決算や開示業務において優秀な経理人材の採用意欲が旺盛であり、また、グローバル展開する企業ではグローバルな経理マネジメント体制を構築する必要があるため、会計に精通しており、ビジネスマンとしてのポテンシャルの高い公認会計士をマネジメントメンバーとして受け入れたい、将来的にマネジメントを担ってほしいというニーズがあります。

内部監査においても、2022年の東証の市場再編以降、プライム上場企業にはこれまで以上に強固なガバナンスを求められており、SOX法に明るい公認会計士を求める企業が多くなっています。
さらに、近年では企業の成長戦略としてM&Aも多く取り入れられるようになったことから、企業価値評価ができる公認会計士の市場価値も高まっています

一般企業への転職成功のポイント

  • POINT
    01

    業務内容や経理部の組織体制を
    しっかりと確認する

    公認会計士の方が、監査法人から一般企業に転職した際によくある失敗例としては、想定していた業務内容とのギャップがあるケースです。
    特に大手の場合は経理部の中で、さらに細分化された業務を担当することになる場合が多いため、数年続けていくうちに成長の鈍化を感じてしまうこともあります。
    入社後、数年から十数年といったスパンで、どのような業務が担当でき、どういう風にステップアップしていけるのかといった点は、入社前にしっかりと確認しておきましょう。

    また、監査法人は難関の公認会計士試験を突破した優秀な人材で構成される組織であり、業務レベルは非常に高いですが、一般企業の経理はそうと限りません。総合職として新卒で入社した人材が経理部に配属され、社会人になって初めて簿記を学習するような若手がいる場合もあるため、監査法人のジュニアスタッフよりも、さらに丁寧な指導が必要な部下や後輩ができる可能性があります。
    マネジメント志向の方であれば問題ありませんが、自分の成長にコミットしたいというプロフェッショナル志向の方にとってはストレスになる可能性もあるため、経理部の組織体制についても事前に確認しておきましょう。

  • POINT
    02

    待遇や条件は総合的に判断する

    監査法人は年収水準が非常に高いため、一般企業に転職する際に、年収が下がってしまうケースは往々にしてあります。
    年収ばかりを気にしてしまうと、選択肢が狭まってしまうため、まずは年収の妥協できるボーダーラインを定めて、幅広く検討することをおすすめします。

    一般企業の場合は、監査法人よりも福利厚生が整っていたり、勤務時間を抑えられるケースも多いため、稼働時間に対する報酬のバランスや、中長期的に考えた際の昇給の可能性など、目先の条件面だけでなく、総合的に判断して、転職するか否かを決めましょう。

  • POINT
    03

    ポジティブな転職動機が必要

    特に監査法人から一般企業に転職する公認会計士の場合、転職目的がワークライフバランスの改善であることが多いです。
    この場合、現職が忙しいというネガティブ要素から転職活動を開始しているため、転職活動時にネガティブ要素の改善ばかりに目が行ってしまい、転職でワークライフバランスは改善できても、転職先でまた別の不満が発生してしまう恐れがあります。

    監査法人から一般企業への転職は、監査法人の会計士からインハウス会計士のキャリアチェンジでもあるため、キャリアチェンジをするだけの、業務におけるポジティブな理由をしっかりと考えておきましょう。
    企業の内部から数字を作る仕事がしたい、ゆくゆくは経営企画などに携わってビジネスを自分で考える・動かす経験が積みたい等、一般企業への転職で叶えたい目標設定をしておくことで、転職後もモチベーションが高い状態で業務に望めます

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一般企業の会計士の転職・キャリアに関するFAQ

監査法人から事業会社への転職を考えています。MS-Japanには、自分のような転職者はどのくらい登録されていますか。

具体的な人数をお知らせする事は出来ませんが、より直接的に企業に関わりたい、会計の実務経験を積みたいと考えて転職を考える公認会計士の方が大多数です。 その過程で、より多くの企業に関わりたいという方は、アドバイザリーや会計事務所への転職を希望されます。当事者として企業に関わりたい方は事業会社を選択されます。 その意味では、転職を希望する公認会計士の方にとって、監査法人から事業会社への転職というのは、一度は検討する選択肢になるのではないでしょうか。

転職活動の軸が定まらない上、求人数が多く、幅が広いため、絞りきれません。どのような考えを持って転職活動をするべきでしょうか。

キャリアを考えるときには、経験だけではなく、中長期的にどのような人生を歩みたいかを想定する必要があります。 仕事で自己実現を図る方もいれば、仕事以外にも家族やコミュニティへの貢献、パラレルキャリアで自己実現を図る方もいます。ですので、ご自身にとって、何のために仕事をするのかを一度考えてみることをお勧めします。 もし、それが分からないようであれば、転職エージェントのキャリアアドバイザーに貴方の過去・現在・未来の話をじっくり聞いてもらい、頭の中を整理されることをお勧めします。くれぐれも、転職する事だけが目的にならないように気を付けてください。 今後の方針に悩まれた際は、転職エージェントに相談してみることも一つの手かと思います。

ワークライフバランスが取れる転職先は、どのようなものがありますか?

一般事業会社の経理職は、比較的ワークライフバランスを取りやすい為、転職する方が多いです。ただ、昨今では会計事務所、税理士法人、中小監査法人なども働きやすい環境を整備している法人が出てきていますので、選択肢は多様化しています。 また、一般事業会社の経理でも、経理部の人員が足りていなければ恒常的に残業が発生する可能性もございます。一方で、会計事務所、税理士法人、中小監査法人の中には、時短勤務など柔軟に対応している法人も出てきています。ご自身が目指したいキャリアプランに合わせて選択が可能かと思います。

監査法人に勤務している公認会計士です。これまで事業会社の経験は無いのですが、事業会社のCFOや管理部長といった経営管理の責任者にキャリアチェンジして、早く市場価値を高めたいと考えています。 具体的なキャリアパスと、転職した場合の年収水準を教えてください。

事業会社未経験の公認会計士の方が、CFOや管理部長のポジションに早く着くキャリアパスの王道は主に2つです。 一つは、IPO準備のプロジェクトリーダーとして入社し、IPO準備を通じて経営層の信頼を勝ち取り、経理部長、管理部長、CFOと短期間でステップアップする。 もう一つは、投資銀行などでファイナンスのスキルを身に着けて、その後、スタートアップ、IPO準備企業、上場後数年程度のベンチャーにファイナンススキルを活かしてキャリアチェンジすることをお勧めします。近年はCFOに対する期待が、IPO達成ではなく、上場後を見据えた財務戦略・事業戦略となってきているため、後者のパターンでCFOになっていく方が増えています。 年収レンジとしてはざっくりですが800~1500万円くらいでオファーが出るケースが一般的で、フェーズに応じてストックオプション付与もあります。

40歳の会計士です。監査法人以外のキャリアを積みたいのですが、企業や会計事務所でどれくらいのニーズがあるでしょうか。

企業であれば、会計監査のご経験をダイレクトに活かしやすい内部監査の求人でニーズが高いです。経理の募集もございますが、経理実務の経験が無いことがネックになるケースがあります。 会計事務所ですと、アドバイザリー経験の有無によって、ニーズが大きく異なります。また、現職で何らかの責任ある立場についており、転職後の顧客開拓に具体的に活かせるネットワークがある場合は、ニーズがあります。

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MS-Japanの転職サービスとは

MS-Japanは、公認会計士やUSCPAなどの有資格者や企業の管理部門に特化した転職エージェントです。
大手上場企業や監査法人、会計事務所(税理士法人)など、公認会計士の幅広いキャリアフィールドをカバーする求人をもとに、公認会計士専門のキャリアアドバイザーがあなたの転職をサポートします。
キャリアカウンセリングや応募書類の添削・作成サポート、面接対策など各種サービスを無料で受けることができるため、転職に不安がある公認会計士の方でも、スムーズに転職活動を進めることができます。

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