2025年08月12日

企業内弁護士(インハウスローヤー)への転職と求人情報|メリット・デメリット・求められるスキルを解説

法律事務所に勤務する弁護士の中には、「もっと安定した環境で働きたい」「企業の一員としてビジネスに直接貢献したい」と考える方も多いのではないでしょうか。
そのような方に注目されているキャリアが、企業内弁護士(インハウスローヤー)です。

本記事では、企業内弁護士(インハウスローヤー)への転職を検討している方に向けて、メリットやデメリット、求められるスキル・経験、具体的な転職方法を解説します。
求人情報もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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企業内弁護士(インハウスローヤー)とは

以下で、企業内弁護士(インハウスローヤー)の役割や主な仕事内容を解説します。

企業内弁護士(インハウスローヤー)の役割

企業内弁護士(インハウスローヤー)は、企業の社員(職員)や役員として雇用され、法的な専門知識を活かして企業活動を支える役割を担います。

法律事務所で働く弁護士と異なり、企業内で発生する法務業務全般に携わるため、企業の経営方針ビジネスモデルに深く関与する点が特徴です。
一般企業に限らず公的機関や法人に所属する弁護士も含めたより広義な意味で使われる「組織内弁護士」もインハウスローヤーと言います。

企業によって企業内弁護士(インハウスローヤー)の役割は様々で、法務部門の延長線上に配置されるケースや、紛争・訴訟対応など弁護士の独占業務のみを任せるケースもあります。

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キャリアアドバイザー
佐藤 颯馬

インハウスローヤーの仕事は基本的には、いち法務部員として幅広く法務業務を行います。例外的に、債権回収会社などの業務性質上、訴訟案件が多くなる会社では紛争・訴訟対応が中心になるケースもあります。

企業内弁護士(インハウスローヤー)の仕事内容

企業内弁護士(インハウスローヤー)の主な仕事内容は、以下の通りです。

・契約審査業務
・危機管理(クライシスマネジメント)
・M&A関連業務
・新規事業
・紛争解決

それぞれの仕事内容を詳しく解説します。

契約審査業務

契約書や規約のレビュー・作成は、一般企業の法務部門の重要な業務内容です。
大手企業では日々数件~数十件に及ぶ書類関連業務が発生するため、企業内弁護士(インハウスローヤー)が社内でチェックすることで、外部に委託するよりもスピーディーにビジネスを展開できます。

現在はAIによる契約書レビューソフトを導入も進んでいますが、特に重要契約複雑な条項では弁護士のチェックが求められるケースが多い傾向にあります。

危機管理(クライシスマネジメント)

昨今の大手企業の不祥事が相次いでいることで、コーポレートガバナンスやコンプライアンスの強化が求められており、危機管理(クライシスマネジメント)の注目度が高まっています。

企業内弁護士(インハウスローヤー)は、日々の業務上でのリスクマネジメント・コントロールを担います。
さらに、不祥事が発生した際の聞き取り調査外部の弁護士との連携第三者委員会の設置とりまとめなども行います。

M&A関連業務

M&Aにおける法務デューデリジェンス(法務DD)も企業内弁護士(インハウスローヤー)が担う業務の1つです。
昨今はM&Aの需要が高まっているため、法律事務所でM&A案件を取り扱った経験のある弁護士は非常に高いニーズがあります。

経験豊富な弁護士はタスクフォースの初期から参画し、M&Aスキームの検討などから関与するケースも少なくありません。
買収対象の選定といった上流工程からM&Aの戦略・実行まで一貫して携わるため、企業内弁護士(インハウスローヤー)ならではのやりがいを感じられるでしょう。

新規事業

新規事業の適法性についての検証・助言も企業内弁護士(インハウスローヤー)の重要な役割です。
合弁会社の設立など、新しく始める事業全般に対する法的助言も含まれます。

事業部門との密なやりとりが求められるだけでなく、場合によってはロビイングなども行うケースがあるため、コミュニケーション能力や折衝力が必要不可欠です。

紛争解決

企業内弁護士(インハウスローヤー)のみで対応するケースは多くありませんが、クレームなどが紛争に発展した場合には、社内の担当者として外部の法律事務所との窓口を担うケースもあります。

一般の法務部員は、紛争や訴訟に関わる機会が少ないため、訴訟の流れや紛争解決のノウハウを持つ弁護士が窓口に立つことで、スムーズな問題解決へとつながります。

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キャリアアドバイザー
佐藤 颯馬

これらの業務は外部の弁護士に依頼することも可能ですが、日常的に法務業務が発生する場合は弁護士を雇用することで大幅なコスト削減になります。
また、社内メンバーとして一緒に働くことで、コミュニケーションもスムーズかつスピーディーに行えます。ビジネスの展開が早くなるという点も大きなメリットです。

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今、企業内弁護士(インハウスローヤー)の需要が高まっている

以下、企業内弁護士(インハウスローヤー)の需要の高まりと、その背景について詳しく解説します。

企業内弁護士(インハウスローヤー)の採用企業は10年で2.4倍に

日本組織内弁護士協会(JILA)の調査によると、企業内弁護士(インハウスローヤー)を採用する企業数は10年間で急増しています。
2014年に企業内弁護士(インハウスローヤー)を採用していた企業は619社でしたが、2024年には1,493社となり、約2.4倍に増えています。

また、採用されている企業内弁護士(インハウスローヤー)の人数も、2014年の1,179名から2024年には3,391名となり、約2.8倍に増加しています。
上記のデータからも、企業内弁護士(インハウスローヤー)の需要が高まっていると言えるでしょう。

特に大手企業上場企業での採用が多く、ITやメーカーなど、法務業務の重要性が高い企業で積極的に採用されています。

企業内弁護士(インハウスローヤー)の需要が高まる背景とは

企業内弁護士(インハウスローヤー)の需要が高まる背景としては、以下の4点が考えられます。

・コンプライアンス意識の強化
・企業のグローバル展開
・国際競争力の強化
・新たなビジネス展開

それぞれの背景を詳しく解説します。

コンプライアンス意識の強化

企業内弁護士(インハウスローヤー)の需要が高まっている背景には、近年の企業活動におけるコンプライアンス意識の強化が挙げられます。

不正会計データ漏洩などが企業の信用を揺るがす不祥事が増加傾向にある中、社内のコンプライアンスを徹底するため、法律の専門家である企業内弁護士(インハウスローヤー)が必要とされています。

的確なアドバイスや、徹底したリスク管理を行うことで、トラブルの未然防止に貢献することが可能です。

企業のグローバル展開

企業のグローバル展開も、企業内弁護士(インハウスローヤー)の需要が高まる理由の一つです。
多くの日本企業が海外市場に進出する中、現地の法規制商慣習に対応するため、企業内弁護士(インハウスローヤー)が求められています。

国ごとに異なる契約法や労働法、規制を理解しつつ、国際的な交渉やトラブル解決を行う上で中心的な役割を担います。

国際競争力の強化

企業のグローバル展開にも関連しますが、国際競争力の強化も企業内弁護士(インハウスローヤー)の需要が高まっている背景の一つです。

企業内弁護士(インハウスローヤー)は、日本の法律と海外の法律を軸に、経営的観点も踏まえて競争力を高めるための戦略をサポートする役割を担います。

新たなビジネス展開

新たなビジネス展開の広がりも、企業内弁護士(インハウスローヤー)の需要に大きな影響を与えています。
AI(人工知能)NFT関連再生可能エネルギーなど、新たなビジネス領域が次々と登場する中で、これらに関連する法規制も急速に整備されています。

企業内弁護士(インハウスローヤー)は、新分野のビジネスにおいて法的リスクを管理し、円滑に事業を進めるための法務戦略を立案する上で重要な役割を担います。

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企業内弁護士(インハウスローヤー)に転職する3つのメリット

企業内弁護士(インハウスローヤー)に転職するメリットは、以下の3点です。

・ワークライフバランスを整えやすい
・企業内部からビジネスに関わることができる
・福利厚生が充実している

それぞれのメリットを詳しく解説します。

ワークライフバランスを整えやすい

企業内弁護士(インハウスローヤー)に転職するメリットは、ワークライフバランスを整えやすい点です。
法律事務所のようにクライアント都合で締め切りがタイトになることは少なく、比較的スケジュールが安定しています。

近年はリモートワークフレックスタイム制度を導入する企業も増えており、家族との時間やプライベートの時間を確保しながら働ける点も大きな魅力です。

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キャリアアドバイザー
佐藤 颯馬

法律事務所でアソシエイトとして働く場合は、法律事務所やパートナーと業務委託契約を結ぶケースがほとんどであり、従業員というよりも個人事業主のような働き方になります。
一方、企業内弁護士(インハウスローヤー)の場合は雇用契約が一般的です。
36協定に則った働き方で、過度な時間外労働ができないという契約条件上の違いからも、ワークライフバランスの確保につながっています。

企業内部からビジネスに関わることができる

企業の内部からビジネスに関われる点も、企業内弁護士(インハウスローヤー)として働くメリットです。

法律事務所の弁護士が企業の外部から案件ごとに対応するのに対し、企業内弁護士(インハウスローヤー)は事業の流れを理解しながら、経営事業戦略に法務の視点で関与できるという特徴があります。

特に、「予防法務」に深く携わることができる点は、企業内弁護士(インハウスローヤー)ならではの魅力です。
企業の法務部門は、契約書の作成や法的トラブルの対応にとどまらず、潜在的なリスクを事前に洗い出し、訴訟や紛争を未然に防ぐ役割を担います。

経営の近くでビジネスに関わりながら、予防法務を通じて企業の成長を支えられることは、企業内弁護士(インハウスローヤー)としての大きなやりがいの一つと言えるでしょう。

福利厚生が充実している

企業内弁護士(インハウスローヤー)として企業に雇用される場合、多くの企業で社員向けの福利厚生が適用されます。
たとえば、社会保険育児・介護休暇家賃補助健康診断の補助などです。

規模の小さい法律事務所では、福利厚生が整っていないケースもあります。
長期的に安心して働ける環境は、企業内弁護士(インハウスローヤー)ならではの魅力です。

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企業内弁護士(インハウスローヤー)に転職する2つのデメリット

企業内弁護士(インハウスローヤー)に転職するデメリットは、以下の2点です。

・年収が下がる可能性がある
・弁護士業務以外の業務が増える

以下、それぞれのデメリットを詳しく解説します。

年収が下がる可能性がある

企業内弁護士(インハウスローヤー)は法律事務所勤務と比較して、年収が下がるケースがあります。

法律事務所では個人の実績や案件数に応じて、早期の年収アップも期待できますが、企業内弁護士(インハウスローヤー)の場合、所属する企業の給与規定が適用されるため、急激な年収アップは難しいと言えるでしょう。

特に大手法律事務所でクライアント対応をしていた弁護士の場合、企業内弁護士(インハウスローヤー)への転職によって収入が大きく減る可能性があります。

ただし、安定的な給与・昇級が見込める点や手厚い福利厚生などを考慮すると、企業内弁護士(インハウスローヤー)は長期的には安定した生活基盤を築きやすいと言えるでしょう。

弁護士業務以外の業務が増える

企業内弁護士(インハウスローヤー)として働く場合、弁護士業務以外の業務が増える可能性があります。

法律関連の専門業務だけでなく、法務部門として他部門との連携や社内調整、経営戦略への関与、部下のマネジメント業務など、様々な業務に携わるでしょう。
そのため、法律事務所と比較して、弁護士ならではの専門スキルを活かす時間が減る場合もあります。

弁護士として専門性を磨き、スキルアップを重視するキャリアを考えている人は、転職を慎重に検討する必要があるでしょう。

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企業内弁護士(インハウスローヤー)に転職する2つの方法

企業内弁護士(インハウスローヤー)に転職する方法としては、以下の2つをおすすめします。

・企業内弁護士(インハウスローヤー)からの紹介を受ける
・転職エージェントを活用する

それぞれの方法を詳しく解説します。

企業内弁護士(インハウスローヤー)からの紹介

企業内弁護士(インハウスローヤー)を雇っている大手企業では、人材確保を目的に紹介制で社員を採用している企業もあります。

紹介による転職活動のメリットは、短時間で内定につながる可能性がある点です。
条件が合い、仕事を任せることができそうだと判断されれば、募集のタイミングでスカウトを受けられる可能性があるため、スピーディーに内定を獲得できる傾向にあります。

また、既に社内で働いている他の弁護士から、社風や働き方を事前に確認しておくことができるため、入社後のミスマッチが少ないこともメリットです。

転職エージェントを活用する

転職エージェントとは、求職者と人材不足に悩む企業をマッチングするサービスです。
求職者は無料の会員登録によって、希望条件に合った求人を紹介してもらうことができます。

転職エージェントには、様々な業界・業種の求人を取り扱う総合型と、特定分野に精通した特化型があります。
企業内弁護士(インハウスローヤー)を目指す場合、法務などの「管理部門」や「弁護士」の転職に強い特化型転職エージェントがおすすめです。

特化型転職エージェントを活用するメリットは、以下の3点です。

・キャリアプランの相談ができる
・非公開求人を紹介してもらえる
・選考対策を受けることができる

それぞれの理由を詳しく解説します。

キャリアプランの相談ができる

特化型転職エージェントには、法律分野に精通したキャリアアドバイザーが在籍し、キャリア全般に関して相談することができます。

たとえば、「これまでの弁護士経験を活かせる転職先候補を挙げてほしい」「今後のキャリアパスやスキルアップの方向性を相談したい」「業界の最新トレンドや企業が求めるニーズを知りたい」など、様々な不安について的確なアドバイスを受けることができるでしょう。

希望条件に合った求人紹介面接日程の調整、内定後の条件交渉のアドバイスも受けられるため、現職が忙しい弁護士も効率的に転職活動を進めることができます。

非公開求人を紹介してもらえる

企業内弁護士(インハウスローヤー)の求人は、転職サイトで一般公開して募集されるケースは少ない傾向にあります。
企業経営に関わる企業内弁護士(インハウスローヤー)は、求められるスキルレベルが高いため、転職サイトでは適した人材が集まりにくいことが理由です。

また、募集背景から競合他社や株主に経営状況を推察されてしまうことを避けるためにも、転職エージェントの「非公開求人」として募集されるケースが一般的です。
「非公開求人」とは、求職者と企業が求める条件を双方満たした場合にのみ紹介される求人で、公開範囲を制限しながらマッチングの精度を高めることができます。

転職エージェントを利用することで、非公開求人にもアクセスできるため、応募できる選択肢を増やすことができるでしょう。

選考対策を受けることができる

転職エージェントは、書類選考・面接の通過率を上げるためのサポートをしてくれます。
企業内弁護士(インハウスローヤー)として必要とされるコミュニケーション能力やビジネス感覚を、面接でどのようにアピールすればよいか、具体的なアドバイスが受けられるのが大きな強みです。

面接対策やフィードバックを活用して、自信をもって選考に臨めるようになります。

企業内弁護士(インハウスローヤー)への転職を考えている場合は、ぜひ「MS-Japan」をご活用ください。
MS-Japanは、管理部門と士業に特化して35年以上の実績がある転職エージェントです。

企業内弁護士(インハウスローヤー)の求人も多数保有しており、専門職ならではのニーズを理解しつつ、転職希望者へのサポートをしています。

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企業内弁護士(インハウスローヤー)に転職する際のポイント

企業内弁護士(インハウスローヤー)として転職する際は、以下のポイントを押さえると良いでしょう。

情報収集を徹底する

一般企業で企業内弁護士(インハウスローヤー)として働く場合、業界や企業規模によって役割や働き方が大きく異なります。
転職後に「思っていた仕事と違った」と後悔しないためには、徹底した情報収集が不可欠です。

具体的には、事業内容業界の将来性、法務部門の人員体制、担当する業務範囲上場の予定などを確認しましょう。
また、リモートワーク・フレックスタイム制度の有無や残業時間、福利厚生など、働きやすさに直結するポイントも重要です。

事前に自分の希望条件を整理しておくと、応募するか否かの判断をしやすくなります。

「企業が求めること」を踏まえたアピールをする

企業内弁護士(インハウスローヤー)への転職活動では、「企業が求める人物像」に合わせた自己アピールが重要です。

企業が企業内弁護士(インハウスローヤー)に求めるスキルは、法律知識の専門性だけではありません
社内の課題を解決する視点やビジネス理解、関係者との調整力など、組織の一員として価値を発揮できる人材が求められます。

自己分析では、自分の強みや経験を洗い出し、応募先企業でどう活かせるかを具体的に整理しましょう。
職務経歴書には、法律事務所での案件処理実績だけでなく、交渉や調整を通じて問題を解決した経験などを盛り込むことで、採用担当者がイメージしやすい内容になります。

面接においても、自身の専門知識を応募先企業の課題解決に結びつける視点が重要です。

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企業内弁護士(インハウスローヤー)に求められるスキル・経験

企業内弁護士(インハウスローヤー)に求められるスキル・経験は、以下の4つです。

・企業法務経験
・社内外の調整能力
・ビジネスレベルの英語力
・マネジメントの経験・能力

それぞれのスキル・経験を詳しく解説します。

企業法務経験

企業内弁護士(インハウスローヤー)は、契約書の作成や審査、コンプライアンス対応、紛争解決、M&Aサポートなど、企業内で発生する幅広い法務業務を担います。
そのため、企業法務に関する経験はほぼ必須と言えるでしょう。

法律事務所で企業法務に携わった経験や、企業の法務部門での実務経験があると、転職時に高く評価されます。
企業が直面する法的リスクを適切に管理し、経営者や他部門の担当者に対して的確なアドバイスを行う能力も重要です。

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一般民事の経験のみでも企業内弁護士(インハウスローヤー)に転職することは可能ですが、企業法務経験者と比較すると選考上不利になる可能性は否めません。
一般民事系法律事務所から企業内弁護士(インハウスローヤー)や企業法務系事務所に転職する場合は、年齢を重ねるほど難易度が高くなるため、若手弁護士のうちからしっかりとキャリアプランを立てておきましょう。

社内外の調整能力

企業内弁護士(インハウスローヤー)は、社内外のステークホルダーとの調整役を担います。

社内:経営層や各部門(営業、開発、管理部門など)など
社外:取引先、規制当局、裁判所など

企業内弁護士(インハウスローヤー)が発揮すべき調整能力は、円滑なコミュニケーション能力と、関係者の合意形成を導く交渉力によって支えられます。
ビジネスの観点法的観点をバランスよく調整し、双方が納得できる結果を導き出すスキルが求められます。

ビジネスレベルの英語力

グローバル展開する企業では、英語での契約書作成や交渉、海外現地法人との連携などが求められます。
そのため、ビジネスレベルの英語力は欠かせません。TOEICでいえば、以下の2つが基準となります。

700点以上:英文でのメールのやり取りなどで読み書きができるレベル
800点以上:英語で行われる社内会議などが理解できるレベル

もちろん企業によって求められる英語力は異なりますが、可能な限り応募書類でアピールできる材料を作った方がよいでしょう。
英語力が高ければ、グローバル案件への対応力が向上し、企業の国際的な法務戦略においても不可欠な存在となります。

マネジメントの経験・能力

企業内弁護士(インハウスローヤー)として、法務部門のチームを率いる立場に立つことも少なくありません。
そのため、マネジメント経験・能力があると大きな強みとなります。
具体的には、法務部門の立ち上げ運営人材育成業務の効率化などです。

また、企業全体のリスクを統括的に管理し、プロジェクトを推進する能力も求められます。
こうしたスキルは、法律の専門知識だけでは補えない領域だと言えるでしょう。
前職でマネジメントの経験を積んだことがあれば、大きなアピールポイントになります。

マネジメント能力を高めることで、組織内での存在感を発揮し、経営層からの信頼も得やすくなるでしょう。

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企業内弁護士(インハウスローヤー)への転職成功事例

企業内弁護士(インハウスローヤー)への転職成功事例実際にMS-Japanを活用して転職を成功させた企業内弁護士(インハウスローヤー)の事例を3つ紹介します。

ワークライフバランス改善と年収アップを実現した転職事例

Aさん(30代後半男性)は法律事務所に勤務し、一般民事や刑事案件を扱っていました。
しかし、慢性的な長時間労働土日対応により、家族との時間が減少していることを課題に感じ、転職を決意しました。

転職活動では、「残業月20時間以下」「フレックスタイム制」「リモートワーク」を軸に、求人の選定を行いました。
その結果、リモートワークの条件は満たすことができませんでしたが、本国では名の知られている外資系メーカーの内定を獲得し、年収100万円アップにも成功しました。

ワークライフバランス改善を優先すると、年収面はある程度妥協しなければならないと考える方も多いでしょう。
しかし、今回の転職成功事例のように、ワークライフバランスと年収アップのどちらも実現させることは不可能ではありません。

弁護士×英語力を活かしてグローバル企業に転職

Bさん(30代前半女性)は、小規模の法律事務所で一般民事案件を担当していました。
しかし、以前から企業法務に関心があり、企業の成長に法務面から貢献できる企業内弁護士(インハウスローヤー)として活躍したいと考えていました。

Bさんは語学力に自信があったため、英語力を活かせる職場として、グローバル企業を中心に応募を進めました。
最終的に、グローバルメーカー企業から内定を獲得し、「企業内部から国際的な法務業務に携わる」という目標を実現しました。

分野が異なっていても、経験や資格を活かして新たなキャリアを築くことは可能です。

40代から金融業界のインハウスローヤーに転職

Cさん(45歳男性)は、IPO準備中のベンチャー企業でコンプライアンス業務を担当していましたが、IPO計画の頓挫により業務範囲が縮小してしまったため、新たな環境を求めて転職活動を開始しました。

Cさんは7社経験と転職回数が多く、選考で不利になることを懸念していました。
そこで、これまでのキャリアを徹底的に棚卸しし、即戦力としてアピールできる分野に絞った応募先の選定を行いました。

戦略的に転職活動を進めた結果、経験のあった金融業界での知識や業法への精通が評価され、証券会社から内定を獲得しました。

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企業内弁護士(インハウスローヤー)の求人情報

企業内弁護士 / 国際法務スペシャリスト

仕事内容
・契約審査(主に英文契約)
・交渉支援(海外企業含む)
・新サービス立ち上げ支援 など
必要な経験・能力
・弁護士資格
・5年以上のビジネス法務経験
・ビジネスレベルの英語力(会話レベル)
想定年収
1,200万円 ~ 2,000万円+別途弁護士会費

インハウスローヤー / 法務・コンプライアンス

仕事内容
・国内外取引先との各種契約業務
・法令調査(日本及び海外関連法令)
・各種トラブルの事案解明 など
必要な経験・能力
・弁護士資格(日本or海外)
・5年以上の法律事務所勤務経験
・契約書(日本語・英語)の審査、作成能力
想定年収
1,000万円 ~ 2,100万円+別途弁護士会費

企業内弁護士 / 法務担当~責任者

仕事内容
・法的問題の対応
・社内の法的支援と助言
・経営判断に関わる法的支援 など
必要な経験・能力
・弁護士資格
想定年収
1,040万円 ~ 1,600万円+別途弁護士会費

企業内弁護士(インハウスローヤー)の転職でよくある質問

ここでは、企業内弁護士(インハウスローヤー)に関するよくある質問をまとめました。

一般企業での勤務経験がない弁護士でも転職できますか?

法律事務所出身で企業の勤務経験がない弁護士でも、企業内弁護士(インハウスローヤー)への転職は十分に可能です。
ただし、年齢経験業務の内容によって難易度は異なります。

企業側が重視するポイントは、法律知識の専門性だけでなく、社内の課題を理解し、調整・解決できるコミュニケーション能力やビジネス視点です。

転職活動では、法律事務所で扱った案件の中で「企業のリスクをどのように低減したか」「依頼者との折衝をどう進めたか」など、企業法務に応用できる経験を具体的にアピールすることが重要です。
未経験という点を気にするよりも、これまでの経験を企業法務にどう活かすかを整理し、自信を持って臨みましょう。

企業内弁護士(インハウスローヤー)として働く際の弁護士会費はどうなりますか?

企業内弁護士(インハウスローヤー)として働く際の弁護士会費は、企業負担になるケースが多い傾向です。
日本組織内弁護士協会(JILA)「企業内弁護士に関するアンケート集計結果(2025年3月実施)」によると、企業内弁護士における弁護士会費は88.6%が企業負担、自己負担が11.4%でした。

ただし、企業によって異なるため、応募時に必ず確認しましょう。

転職活動は働きながらでも進めることができますか?

働きながらでも企業内弁護士(インハウスローヤー)への転職活動を進めることは可能です。
法律事務所の繁忙期や急な業務対応など、スケジュール調整が難しい場面もあるかもしれません。
しかし、最近ではリモート面接を導入する企業も増えており、面接日程についても柔軟に対応してくれるケースが多いです。

また、転職エージェントを活用すれば、面接日程の調整や事前の面接対策などをサポートしてもらえるため、在職中の活動をスムーズに進めやすくなります。

働きながら転職活動を行う最大のメリットは、収入や生活基盤を維持しつつ、じっくりと準備を進められることです。
無理のないスケジュールを意識し、自分に合ったタイミングで納得のいく転職を目指しましょう。

インハウス転職をプロに相談する

まとめ

企業内弁護士(インハウスローヤー)は、法律の専門知識を活かしつつ、柔軟な働き方やワークライフバランスを実現できるキャリアとして注目を集めています。

業界や企業によって求められるスキルや経験が異なるため、自分のキャリアを棚卸しし、強みを発揮できる分野を見極めるのが転職成功のカギとなります。
転職に興味がある方は、専門の転職エージェントを活用してみましょう。

  • #インハウス弁護士
  • #組織内弁護士
  • #企業内弁護士

この記事を監修したキャリアアドバイザー

佐藤 颯馬

大学卒業後、新卒でMS-Japanに入社。
法律事務所・会計事務所・監査法人・FAS系コンサルティングファーム等の士業領域において事務所側担当として採用支援に従事。その後、事務所側担当兼キャリアアドバイザーとして一気通貫で担当。

会計事務所・監査法人 ・ 法律・特許事務所 ・ コンサルティング ・ 金融 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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