30代・40代の経理の市場価値は「決算早期化」で決まる｜転職市場で評価されるスピードと正確性（後編）

前編では、経理職における「決算早期化（ファストクロージング）」の重要性や、30代・40代で求められる役割の変化、そして企業が評価する「スピード」と「正確性」の両立について解説しました。
経理が単なる実務担当ではなく、経営判断を支える戦略的なポジションへと進化している点を整理しています。

後編では、転職市場で高く評価される具体的な経験やスキル、さらに職務経歴書や面接で効果的にアピールする方法を、実際の成功事例を交えて解説します。

転職市場で評価されるポイント

転職市場で特に評価されるのは、「決算早期化に貢献した経験」です。
これは即戦力性を示す明確な証拠になります。

具体的には、以下のような経験は高く評価されやすく、年収アップにつながる傾向があります。

・IPO準備や内部統制構築の経験（特にスタートアップなど未成熟な組織）
・海外子会社管理や英文会計、IFRS・US-GAAP対応の経験
・DX推進やAI・ITツール利用の経験（RPA、BIツール、システムの導入・リプレース）

特にPythonやSQLを用いたデータ分析スキルは、数少ないハイレベル人材として市場価値を押し上げます。

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職務経歴書・面接でのアピール方法

経験を最大限に伝えるためには、具体的な数値を用いたアピールが効果的です。

例：
・決算日数を12日→8日に短縮
・RPA導入により年間数百万円のコスト削減を実現
・承認フロー見直しにより処理件数を20％削減
・監査指摘件数を半減

面接では「課題→行動→成果」の流れで語ることが大切です。
単に担当業務を羅列するのではなく、「なぜその課題に取り組む必要があったのか」という背景や目的を経営目線で語ることで、自身の主体性や課題解決能力を効果的にアピールできます。

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決算早期化に携わった成功事例

事例1：経理部長・CFO候補へのキャリアアップ

中堅企業で経理を務めていたAさん（35歳）は、年次決算の効率化をミッションとして取り組みました。

手作業の多いフローを見直し、他部署との連携方法を改善した結果、決算期間を従来の1か月から3週間に短縮。
これを「プロセスの仕組み化」として職務経歴書にまとめ、結果として上場企業の経理部長候補に採用されました。

事例2：経理から経営企画へのキャリアチェンジ

Bさん（32歳）は、RPA導入プロジェクトに参画し、伝票入力や経費精算の自動化を推進しました。

この経験を「DX推進に貢献できる経理」としてアピール。DXを加速させたい企業から評価を受け、最終的に経営企画部門へキャリアチェンジを果たしました。

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まとめ｜あなたの決算経験をキャリアの武器に

決算業務はルーティンに見えて、実は大きなキャリア資産を育む場です。
「正確さ」と「スピード」を両立した経験は、どの企業からも高く評価され続ける普遍的なスキルです。
大切なのは、「なぜ取り組んだのか」「どのように改善したのか」「どんな成果を出したのか」を経営目線で語れること。これができれば、転職市場で確実に差別化できます。

もし「今の業務をもっと効率化できるのでは？」と感じているなら、それはキャリアアップのチャンスです。
あなたの決算経験を強みとして活かせる場を探すことで、次のキャリアステージが開けていきます。