2025年11月03日

弁護士が会社法を武器にするには?実務・キャリア・転職市場での評価ポイント(後編)

この記事は後編です。前編の記事はこちらをご確認ください。

前編では、弁護士が会社法を武器にキャリアを広げるために押さえておくべき基礎知識や主要分野を解説しました。
企業法務、M&A、コーポレートガバナンスといった実務で会社法がどのように活用されるのか、また、その専門性が弁護士としての信頼や付加価値を高める理由を整理しています。

後編では、会社法スキルが転職市場でどのように評価されるのかを踏まえ、実際にキャリアアップ年収アップを実現した弁護士の事例を紹介しながら、専門性を活かしたキャリア形成のポイントを解説します。

転職市場で評価される会社法スキルとは

転職市場で会社法スキルが評価されるには、単なる法律知識だけでなく、「具体的な実務経験」と「その業務にどの程度深く関わったか」が鍵となります。
特に評価される経験は、「株主総会対応」「コーポレートガバナンス構築」「M&A支援」といった、企業の経営に深く関わるものです。

インハウスへの転職を考えた場合、M&Aや商事法務に特化したポジションでない限りは、まず一般的な法務経験年数が重視される傾向にあります。
これは、契約法務や法律相談対応といったベースの法務業務がどの企業でも発生するためです。
その上で、会社法の実務経験が、あなたの専門性や付加価値を示す強力な武器となります。

求人票には明記されていなくても、面接では「業務の粒度(具体的にどの範囲まで関わったか)」が確認されることが多いです。
例えば、「株主総会対応」と一口に言っても、議事録作成のみに関わったのか、招集通知や想定問答集の作成、そして当日の運営補助まで主体的に担ったのかでは、評価は大きく異なります。
「M&A経験」についても同様で、単なる契約書レビューだけでなく、デューデリジェンスの実施やリスク分析まで関与したかで、即戦力としての評価は大きく変わります。

弁護士のための転職支援を受ける

事例紹介:会社法を強みにキャリアを広げた弁護士

会社法を強みとして、キャリアアップや年収アップを実現した弁護士の事例を2つご紹介します。

事例1:法律事務所からスタートアップのインハウスへ

Aさん(30代後半・男性)は、中規模の法律事務所で主に企業の顧問業務を担当し、契約書レビューや債権回収といった一般企業法務に携わっていました。
その中で、顧問先の株主総会支援や、小規模な組織再編案件に携わる機会が増え、会社法への関心を深めました。
会社法の専門性を高めたいと考え、IPO準備中のITベンチャー企業の法務担当者として転職を決意。

転職面接では、これまでの株主総会対応経験や、ガバナンス体制構築への知見を具体的にアピールしました。
その結果、即戦力として評価され、前職から年収が約15%アップ。現在は、上場に向けた内部統制システムの構築や、M&A戦略の法務面からの支援など、経営に直結する業務に携わり、大きなやりがいを感じています。

事例2:企業内弁護士として年収アップを実現

Bさん(40代前半・女性)は、上場企業で企業内弁護士として勤務していました。
日常的な法務業務に加え、数件のM&A案件でデューデリジェンスや契約交渉の実務経験を積みました。
これらの経験は、転職市場で高く評価されることを知り、自身の市場価値を試すべく転職活動を開始。

その結果、同業他社の法務部門責任者候補として、年収が大幅にアップするオファーを獲得しました。
面接では、過去のM&A案件での自身の役割や、直面した課題とその解決策を論理的に説明。特に、会社法上のリスクを事前に洗い出し、円滑なM&Aを実現した経験が評価されました。
現在は、新たな職場で、会社法を武器に、企業の成長戦略を法務面から力強く支えています。


これらの事例から分かるように、会社法の実務経験は、弁護士のキャリアを大きく広げ、年収アップにも直結する強力な武器となります。
しかし、転職市場全体を見ると、会社法に特化した求人自体は多くないのが実情です。
そのため、特定の専門領域にこだわりすぎると、応募できるポジションが限られ、転職活動が難航することもあります。

一方で、これは経験をお持ちの方にとっては大きなチャンスでもあります。
法務業務の一部として商事法務やM&Aも含まれる、といったポジションまで視野を広げることで、キャリアの選択肢は大きく広がります。
会社法を武器にする際は、転職の軸を「専門性」に置きすぎず、「法務経験全体」を評価してもらえる企業を探すことが、キャリアの選択肢を広げる鍵となります。

弁護士キャリアを相談する

まとめ

弁護士のキャリアにおいて、会社法は単なる知識ではなく、自身の市場価値を高めるための強力な武器です。
企業法務、M&A、コーポレートガバナンスなど、企業の根幹に関わる分野において、会社法の専門性は不可欠であり、この専門性を磨くことが、より高付加価値な仕事へとつながります。

転職市場でも、「株主総会対応」「M&A支援」「コーポレートガバナンス構築」といった具体的な実務経験は、あなたのスキルを証明する強力なアピールポイントとなります。
会社法の実務経験を積み、専門性を磨くことは、企業内弁護士や、より専門性の高い法律事務所への転職、そして年収アップといったキャリアアップのチャンスを広げることになります。

また、会社法のスキルを活かしたキャリアチェンジを考えている方は、ぜひ一度、私たちMS-Japanにご相談ください。
あなたの強みを最大限に活かせる最適なキャリアプランを、一緒に見つけていきましょう。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

高根沢 美帆

大学卒業後、新卒でITベンダーに入社し、営業としてエネルギー業界のお客様を担当。その後、損害保険会社で法務業務に従事。
キャリアアドバイザーとしてMS-Japanに入社後は、法務、弁護士、法科大学院修了生などリーガル領域を中心に担当。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 法律・特許事務所 ・ 役員・その他 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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