会社法改正は法務人材のキャリアをどう変える?転職市場で評価される知識と経験(後編)

この記事は後編です。前編の記事はこちらをご確認ください。
前編では、近年の会社法改正の主なポイントや、企業実務への影響、そして法務人材に求められるスキルについて解説しました。
特に、ガバナンス強化や情報開示の透明性向上を背景に、法務部門が「守り」から「攻め」へと役割を広げていることを紹介しました。
後編では、実際に会社法改正への対応経験が転職市場でどのように評価されるのか、そしてその経験をキャリアアップにつなげるための具体的な方法を解説します。
転職市場で評価される「会社法改正対応経験」
転職市場で高く評価されるのは、単に改正法の知識があるだけでなく、実際に改正対応を主導した経験です。
改正法施行時に社内体制の整備や規程改定をリードした経験は、あなたの市場価値を飛躍的に高めます。
この経験をアピールする際は、どのような形で情報をキャッチアップし、どのような進め方で体制整備を進めたか、そしてその過程で直面した困難やそれを乗り越えた経験を具体的に語ることが重要です。
例えば、プロジェクトの規模(関わった部署数、メンバー数など)、期間、具体的な成果(コスト削減や業務効率化に貢献した点)といった定量的な情報を盛り込むことで、あなたの実績はより説得力を持って伝わります。
これは、あなたが単なる事務処理担当者ではなく、組織全体の変革を推進できるリーダーシップを持った人材であることを証明します。
改正会社法を効率的に学ぶ方法
改正会社法を効率的に学ぶには、実務に即した学習方法を選ぶことが重要です。
ビジネス実務法務検定や弁護士会が主催するセミナー、専門書籍を活用するのが効果的です。
日本弁護士連合会や各地域の弁護士会が開催する法務研修は、第一線で活躍する弁護士から最新情報を直接学べる貴重な機会です。
また、ビジネス実務法務検定は、法律知識の習熟度を客観的に証明する手段の一つです。
特に、実務経験が浅い方や、自己学習で知識を深めていることをアピールしたい方にとって有効なツールとなります。
しかし、転職市場で最も評価されるのは、資格の有無よりも、その知識を実務でどう活かしてきたか、という点です。
これらの学習方法を組み合わせることで、効率的に知識をアップデートし、実務に活かせるスキルを身につけることができます。
事例紹介:改正対応経験が評価され転職に成功したケース
改正対応経験は、転職市場であなたの年収アップにも直結します。
たとえば、非上場企業で株主総会や取締役会運営の実務経験を積んでいた30代の法務担当者の事例です。
彼は改正会社法への対応を機に、自ら勉強会を企画し、関連部署への周知や規程改定を主導。
この経験を転職活動で具体的にアピールした結果、上場企業の商事法務ポジションへのステップアップに成功しました。
転職後の年収は100万円アップし、担当業務もより専門性の高い商事法務に特化することができました。
転職を検討した背景には、自身が手掛けた会社法関連の業務をさらに深めたいという強い意欲がありました。
しかし、改正対応経験が浅いことや、非上場企業での経験が上場企業に通用するかという不安もありました。
そこで、MS-Japanに相談し、彼の持つ「主体的に学び、周囲を巻き込みながら業務を推進する力」こそが、法改正対応経験が浅い場合でも高く評価されるポイントであることを伝えました。
日々の業務でニュースや法改正の動向を常にチェックし、それを実務にどう活かせるかを考える習慣があることをアピールすることで、意欲とポテンシャルを高く評価され、見事に転職を成功させました。
まとめ
会社法改正への対応経験は、法務人材が転職市場で差別化を図るための重要な要素です。
法改正の趣旨を理解し、実務に落とし込む能力を持つ人材は、企業のガバナンス強化や成長戦略の推進に不可欠な存在として高く評価されます。
守りの法務だけでなく、企業の事業に深く関与する「攻めの法務」を志向する方にとって、法改正対応経験は自身の市場価値を高める重要なキャリアパスです。
常に最新の情報をキャッチアップし、実務経験を積み重ねることで、あなたのキャリアはより豊かなものになるでしょう。
転職市場であなたの強みを最大限に活かすために、ぜひMS-Japanのキャリアアドバイザーにご相談ください。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、大手受験業界にて校舎運営・高校生の進路指導に従事。その後、補助金や財務のコンサルタント会社を経て、MS-Japanに入社。
現在はキャリアアドバイザーとして、経理・財務・会計事務所を中心に担当し、様々な方の転職活動を支援しています。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 税理士科目合格 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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